おかげさまで、堺市いたわり健康院 さかい快福整体堂は2023年4月8日で、開院10周年を迎えました。
これまで当院に関心をお寄せいただいた方、ご縁をいただいた全ての方に感謝申し上げます。
今ご覧くださっているページは、さかい快福整体堂がどのような経緯で開院をしたのか。
苦悩したことや成長できたこと、嬉しかったことなどを振り返ってみようと思います。
お伝えしたいことがたくさんあり、長い文章になったため、お疲れのでないようにお読みくださいませ。
2012年~2013年 テナント探しから開院に至るまでのエピソード
テナント探しをはじめたのは、2012年の11月くらいだったと記憶しています。
不動産屋さんをいくつか廻り、時には自転車に乗って南海沿線の堺駅の方まで探していました。
ある日、自転車で津久野駅周辺を探索すると、三階建ての商業ビルを見つけました。
六つ入居できるテナントの内、当時は二店舗しか入居しておらず、人通りも少ない。
二階の空き室の窓ガラスには、確かリラクゼーションと書かれたカッティングシートが残っていました。
その時「ここで似たような業種で開業しても厳しいかも…」と思ったのが、第一印象でした。
同じ津久野駅付近には、鳳郵便局やダイエー津久野店。美容室や居酒屋などがあり、道行く人も多い角地にも空きテナントがありました。
こちらも三階建ての商業ビル。三階に空き室があったため、内覧させていただきました。
空間的に丁度よい広さ。いいなぁと思いました。
でも、三階まで階段で昇り降りをしないといけないとなると、体調不良でお困りの方に来ていただくのは大変だと思い断念しました。
数日経過し、「ここで似たような業種で開業しても厳しいかも…」と思った第一印象の商業ビル前まで来ていました。
心のどこかでひっかかっていたのでしょう。
それを確かめるために、思いきって窓に掲示されている不動産屋さんに電話をしました。
六つ入居できるテナントの内、1階1室・2階2室・3階1室。合計四つの空き室があったのですが、私は2階のテナント2室を内覧させてくださいと電話で伝えました。
※3階は階段が大変、1階は改装費用がかなり必要だと思い内覧しませんでした。
後日、2階のテナントをそれぞれ内覧させていただき、不動産屋さんと話しをしていると、階段を昇って二人のスーツ姿の男性が現れました。
「あの、中を見せて欲しいのですが」と、私と話しをしている不動産屋さんに話しかけています。
どうも学習塾のテナント探しをされているようで、2階にある2室共に借りることを考えているようです。
話しの流れで、一人の男性が私に「整体でしたら、一階の方が目立ちますので、どうぞ。」と笑顔で伝えてきました。
その時、私はこう思いました。
不動産屋さん、大家さんからしてみれば、これから自営業をはじめる一個人が1室だけを借りる。
一方、塾の経営。おそらく会社で資金もあるでしょうし、2室同時に入居が決まれば安定した家賃収入が増える。
信用や家賃収入のことを考えると、私は不利です。
内心焦りました。
そんな心配をよそに、不動産屋さんはスーツ姿の二人の男性に向かってこう伝えてくれました。
「今、こちらの方(私の事)と話しをしているので、またの機会にしてください。」
伝え方で察したのは、あまり心象がよろしくなかったのでしょう。あしらう感じでした。
実際のところ、不動産屋さんがどう思われたのか分かりかねますが、私はご縁を感じて心から「こちらで契約をさせていただきたいです。」とお伝えしました。
大事な審査も無事通り、本契約。
契約書に実印を押した瞬間、「もう後戻りはできないぞ!」と肝に銘じました。
部屋の内装は学生時代の友達にお願いをして、ベッドや机、ソファーなど院内環境を整えるために買い物に奔走しました。
準備が整い税務署に開業届けを提出。
日付は、2013年4月8日にしました。
さかい快福整体堂の誕生です。
さかい快福整体堂の名前の由来
整体を受けていただくことでご快復し、その方に福が訪れる。
元気を取り戻していただくことで大切な方々にも福が訪れる。
院ではなく堂という漢字を選んだ理由は、院は病院(病気)を連想させるため。
堂のほうが、心が安らぐと思ったからです。
堺と漢字ではなく、さかいにした理由は、堺快福整体堂とした場合、漢字ばかりで硬い印象を受けたため、やからかい雰囲気を出すために平仮名にして、さかい快福整体堂と命名しました。
開院10周年を迎えるにあたり、仕事ができる環境。
チャンスを与えてくださった不動産屋さんと大家さんに感謝申し上げます。
開院後の実情
実は、開院といいましても、広範囲にチラシをポスティングしたり駅前などで道行く人にチラシを渡す。
情報誌に広告を掲載するわけでもなく、ひっそりとスタートしました。
といいますのも、さかい快福整体堂を開院する一年前から体調を崩しておりまして、仕事ができない状態だったからです。
当時の年齢で37歳、体が鉛のように重たく気持ちもふさぎこむ。
今振り返っても、人生のどん底期でした。
それでも両親に働く姿をみせて安心させたい。
とはいえ、前職の自動車業界に戻るつもりはなく、未経験の職種で37歳を正社員として雇用してもらえるほど現実は甘くないことも分かっていました。
体調面を考慮した社会復帰は、30歳の頃から経験を積んでいた整体での独立でした。
両親のために、自分のために、社会復帰をするためにテナントを探していたのです。
では、開院後なにをしていたのかといいますと、ホームーページを作っていました。
毎日、職場に来てはホームーページを編集する。
社会復帰をするためのリハビリをしてるような感覚でした。
そうして毎日、職場にいくことで徐々に気力があがっていき、そろそろ本格的に活動をしようと思えるようになりました。
思い立ったが吉日。
美容業界で自営業をしている学生時代からの友達にチラシの制作をお願いしました。
出来上がったチラシを歩きながらポスティングをする。
街を歩くと風が気持ちよく、玄関先で住んでいらっしゃる方と出会うと挨拶をしてチラシをお渡しさせていただきました。
久しぶりに人と交流できた!!とても清々しい気分でした。
いざという時に快く手伝ってくれた友達に感謝しています。
はじめて電話が鳴った瞬間のよろこび
電話の着信音が鳴った時、私の社会復帰を祝ってくれているような音色に聴こえました。
さかい快福整体堂はじめてのお客様は、チラシを見てお電話をいただいた年輩のご夫婦でした。
定期的に通ってくださり、駆け出しの私を応援してくれている。
お言葉や表情から伝わってきました。
その節は、大変お世話になりました。
当院のはじめてのお客様になっていただきまして、ありがとうございます。
開院当初の依頼内容
ホームページ作りをコツコツ取り組んだお陰か、産後の骨盤矯正のページが上位表示されるようになりました。
今(2023年4月)から10年前。
その頃に産後の骨盤矯正を行っている整体院・整骨院は皆無で、お問合せが多かったです。
当院は私一人での運営であることから、赤ちゃんと一緒にお越しいただいていました。
赤ちゃんの瞳やほっぺ、小さな指など全てがとても可愛らしく、赤ちゃんが泣き出すと施術を中断してあやしながら骨盤のケアをさせていただきました。
また、開院当初は時間的にゆとりがあったこともあり、様々なお話しを聞かせていただきました。
子育ての苦悩、夫婦関係について、私へのアドバイス。
知らないことばかりで大変勉強させていただきました。
人生の大切な時期にケアをさせていただきまして、感謝しています。
産後の骨盤矯正ともう一つ、お問い合わせが多かった体調不良は首こりです。
今でこそ、首こりの施術をする整体院・整骨院が増えたことによって認知されていますが、当時は「首こりって何?肩こりではないの?」と思われる方がほとんどでした。
姫路や京都市など遠方から来てくださる方や、関東や東北にお住まいの方からメールでお問い合わせをいただくなど、インターネットの力ってすごい!!と思いました。
このように、開院当初は産後の骨盤矯正と首こりを主軸として、時々肩こりや腰痛の依頼をいただいていました。
自律神経の乱れ、パニック症のご依頼が増える
他の整体院・整骨院さんが、託児スタッフを雇用されたりキッズルームを設備したことによって、当院で産後の骨盤矯正を受けていただく方が、おられなくなっていきました。
産後の骨盤矯正に替わって、自律神経の乱れによる体調不良(自律神経失調症)や不安からくる体調不良(動悸や喉の違和感、胃腸の不調、パニック症)のご依頼が増えてきました。
そうしたご依頼内容が増えた理由は、私自身の経験のようでした。
といいますのも「先生なら辛い気持ちを分かってくれそうだから」
このような来院の動機を、よくいただいていたからです。
さかい快福整体堂は、体だけへのアプローチにとどまることなく、お気持ちに寄りそった心へのアプローチも含めたサポート内容に変わっていきます。
この頃は、施術を行いながら話し(主に、不安・悩み・愚痴・雑談)をお聴きしていました。
今思うと、施術を行いながらのコミュニケーションは結局のところお互い体に集中できず、思ったような効果が表れないケースが多かったです。
また、当時の技術では難しい体調不良も見受けられため、2015年から2017年にかけて必要な技術と知識を学んできました。
院長の学び
筋肉系
2004年:中国三大医療の一つである推拿(すいな)を学ぶ
2011年:短時間で筋肉をゆるめる神経筋連鎖法を学ぶ
骨格系
2015年:体にやさしい骨格矯正、頭蓋骨矯正パーフェクト整体を学ぶ
自律神経系
2016年:ヒプノ操体法を学ぶ
2017年:日本自律神経研究会にて学ぶ
免疫学
2015年:日本内臓美容協会が主催する免疫セラピスト2級合格
こころ
2016年:日本メンタルヘルス協会にて心理カウンセリングを学ぶ
2016年:レイキヒーリング、セカンドディグリーを習得する
学びを活かして治りのむずかしい体調不良にも、ご対応することができるようになりました。
その一方で、うまくご回復に導けなかった方々には、今でも申し訳ない気持ちがございます。
技術不足なのか、説明不足なのか、施術の組み立て方が悪いのか。
それぞれを見つめ直して向上していく。まだまだ勉強が必要です。
お客様に育てていただきました
急速にスマートフォンが普及されてから、インターネット上での口コミが重視されるようになりました。
そのため、当院でもご回復された方に口コミのご協力をお願いしてきました。
ありがたいことに、国内最大級の店舗、施設の検索口コミサイト「エキテン」堺市・整体部門で、2016年・2017年・2018年。3年連続NO1の評価をいただきました。
また、手書きでのアンケートにも多くの方にご協力をしていただいています。
特に嬉しかったこと
整体師、冥利に尽きる。
この10年間で、様々な方とご縁をいただき嬉しかったこと、喜んだこと。
いろいろなエピソードがございます。
特に印象深いエピソードとしては、お子様の施術依頼です。
開院6年目くらいだったと記憶しています。
当時小学生だったお子様は体がグッタリとして、自力で歩けない状態でした。
ご自宅から自動車まで、お子様を抱えてシートに座らせる。それだけでも大変なのは想像できます。
そのため、お母様の自動車で当院の傍まで来ていただき、私がおんぶをして階段を昇っていました。
精一杯、施術をさせていただきましたが、日によって少し自力で歩ける時もあればグッタリとした日もある。
結果的に当院の施術では改善されず入院することになりました。
後日、お母様から「治りました!」と、連絡をいただきました。
当院に来ていただけるとのことで約束の日時にお待ちしました。
階段を昇る足音が聞こえて、ドアを開けてお待ちしていると、ニコニコと満面の笑顔で小走りで駆け寄ってくれるお子様の姿が見えました。
私も満面の笑顔で「よかったなぁ~」と声をかける。
お子様は、ずっとニコニコ。すごく嬉しそうでした。
お母様いわく、病院をたらい回しの状態で、どこか受け入れてくれるところを探していました。
当院が希望の存在だったようです。
当院で結果は伴わなかったですが、大変嬉しかったエピソードです。
家族
家族を語るうえで、院長の病と健康の語りのなかに「健康へのきっかけはイメージの力」というセクションがございます。
その頃が、今ご覧くださっているページの【開院後の実情】で書かせていただいた、人生のどん底期と重なります。
それと家族がどう関係あるの?と思われますよね?
「健康へのきっかけはイメージの力」より一部引用し、ご説明させていただきます。
「自分が元気になったら誰がよろこんでくれるだろうか?」という問いかけでした。
その時に浮かんだイメージは、まず両親の顔でした。
あぁそうだよな、まずは両親を安心させようじゃないか。
それから次々とイメージをしていきました。
「自分が元気になったら誰がよろこんでくれるだろうか?」
すると、
未来のお嫁さん
まだ見ぬ子供たち
ペットたちなんだろうこの感じ…涙があふれてくるではありませんか。
院長の病いと健康の語りより一部引用
ここで、下の画像をご覧ください。
これは、2013年の開院当初からしばらく使用をしていたホームページのメイン画像です。
元気なあなたの笑顔を喜んでくれる人は誰ですか?
この問いかけに対して、右からご両親・ペット・お子様・ご主人様をイメージしている様子です。
実は、真ん中の女性は私を投影したモデル。
つまり、私が元気になって喜んでくれる人をイメージしたものです。
両親は、私の前ではいつもと変わらず生活をしてくれていましたので、ありがたかったです。
でも、間違いなく心配をしてくれている。
私が健康を取り戻したある日のこと、母から「あんた、本当によくがんばったなぁ」としみじみ話しをしてくれた時、もっと親孝行をしないといけないと思いました。
それにしても、イメージの力って凄いと思います。
人生のどん底期にイメージをしていた未来のお嫁さんと2017年に出会い結婚。
2018年に娘が誕生してくれたのです。
家族になってくれてありがとう。陰で支えてくれている家族に感謝しています。
2020年 新型コロナウイルス はじめての緊急事態宣言 苦悩の日々
2020年1月。人類にとって未知となるウィルス。
新型コロナウイルスに関する報道を目にするようになって、心配する機会が増えました。
身近なところでいうと、ドアノブに手を触れる時や、ゴミステーションの扉を開け閉めする時。
硬貨に触れる時など何かに手を触れる時、私だけではなくほとんどの方が神経を尖らせていたと思います。
連日、陽性反応の人数が報道されるなか、ご予約をいただいている方からのキャンセルが相次ぎました。
当然ながら、ご新規様からのご予約はパタッと止まりました。
この状況下では致し方ありません。
はじめての緊急事態宣言中は、保育園に通っている当時2歳の娘と自宅でゆっくり過ごしたり、当院に連れて行って遊んでいました。
娘の寝顔を見ながら、このままずっと緊急事態宣言が続いたらどうなるのか?
もし、家族や自分が感染したらどうしようか…先行きの分からない不安と怖さを感じていました。
緊急事態宣言が解除されても、まん延防止等重点措置が何度も出され、その度にいつになったらコロナが収束するのか気を揉んでいました。
コロナ禍のご依頼内容
未曾有の危機に直面した時、生命の危機を感じた時、人は誰でも意識と行動が変わると思いました。
一つの例として、自律神経や交感神経・副交感神経という言葉をテレビやラジオ。雑誌などで取り上げられる機会が増えたため、たくさんの方に知られるようになりました。
実際に、当院へお越しくださる方に自律神経(交感神経・副交感神経)のご説明をすると、既にご存じの方が増えていらっしゃいます。
コロナ禍のご依頼内容で際立っていたことは、自粛によるストレスでした。
致し方ないとはいえ、行動に制限がかかると運動不足によって血行不良(筋肉の凝り・冷え性の原因)が起こります。
また人によっては、ご家族と一緒に過ごす時間が増えることによって精神的なストレスが蓄積され、体調不良を訴えられるケースも増えました。
あとはワクチの接種による不安です。
これはどういうことなのかというと、周りが接種をしているから自分も接種しなければならない…という同調圧力
得体の知れないワクチンが体内に入ることで、自分の体に異変が起きないか?と不安を感じて体調不良が起こるケースです。
病は気からといわれたりしますが、コロナウィルスの報道を目にする機会が増えたことで助長されているように感じました。
第6波(令和4年1月~3月末)を境に、コロナ後遺症による体調不良の方からのご依頼が増えていきました。
2023年 開院10周年を迎えて
10周年を機に、堺市いたわり健康院 さかい快福整体堂に屋号をリニューアルしました。
意図として、私の想いが詰まった「さかい快福整体堂」をこれからも大切にしていき、堺市にお住まいの方を健康に導くという確固たる意思の表示を屋号に含める。
いたわりという言葉には、心と体を労わるということを表現しました。
仕事ができる環境に感謝
仕事ができる身体に感謝
支えてくれている家族に感謝
開院準備に協力をしてくれた友達に感謝
切磋琢磨をして支え合う同業の先生方に感謝
転職をして天職に巡り合えることができて感謝
そして何より、当院にお越し下さった皆様方に感謝
たくさんの感謝の気持ちに包まれながら、一日一日、目の前にいらっしゃるお客様に向き合い、全力を尽くしてサポートさせていただくことをここに誓います。
拙い文章を最後まで、お読みいただきましてありがとうございました。
2023年4月8日
堺市いたわり健康院 さかい快福整体堂 市川 猛