唾液過多の原因は口ではない?横隔膜と脳幹・神経の関係

ご訪問ありがとうございます。

心身の不調を整える専門家、さかい快福整体堂 院長の市川 猛(いちかわ たけし)です。


本日お届けするテーマは、唾液の量が多くて気になる。

何度飲み込んでも、すぐに口の中に唾液が溜まってくる。

症状名で申し上げると、唾液分泌過多症。


耳鼻咽喉科や口腔外科など、病院で検査をしても異常が見つからず、緩和や改善方法がわからないまま悩まれている方も少なくありません。


唾液過多は、口や唾液腺だけの問題と思われがちですが、実は呼吸の仕方や神経の働きと深く関係しています。

特に、体の緊張や不安、他人からどう思われているだろうなど精神的なストレスが続いていると、無意識の呼吸や飲み込みのリズムが乱れ、唾液の違和感として現れることがあります。


今ご覧くださっているブログでは、唾液過多と横隔膜。

そして、脳幹(のうかん)や神経の働きとの関係について、できるだけわかりやすくお伝えしていきます。

それでは、本題に入らせていただきますね。

唾液が多いのは、口の問題だけではありません。

喉の違和感

唾液の量が多いと、口の中だけに原因があるように感じてしまいますが、唾液は呼吸や神経の状態によっても、無意識に影響を受けています。

その大切な役割を担っているのが横隔膜です。

呼吸と横隔膜の関係

横隔膜とは?

横隔膜とは、胸腔(心臓と肺が入っている空間)と腹腔(胃腸など臓器が入っている空間)を、仕切る、厚さ10ミリほどの筋肉性の膜です。

横隔膜は、下記イラストのように、肋骨のなか(下部)にあり、傘のようにドーム状を形成しています。

横隔膜

横隔膜の役割は、呼吸のたびに上下に動くことで、肺に空気を出し入れし、同時に飲み込みや内臓の働きをサポートします。

この横隔膜の動きがスムーズであれば、呼吸が安定し、唾液を自然に飲み込むリズムも整います

横隔膜の動きが悪いと、なぜ唾液過多になるのか?

唾液過多

横隔膜は、ただ息を吸ったり吐いたりするための筋肉ではありません。
実は、飲み込み唾液の処理にも深く関わっています。

普段私たちは、あまり意識していませんが、呼吸と飲み込みは同時に行えない仕組みになっています。


どういうことなのかと申し上げると、唾液を飲み込む瞬間に一時的に呼吸が止まり、喉の筋肉や神経が連動して働きます。

この一連の動きの土台になっているのが、呼吸のリズム。つまり横隔膜の動きです。


本来、この横隔膜の動きがスムーズであれば、「息を吐く → 一瞬止まる → 飲み込む → また息を吸う」
という流れが、無意識に自然に行われます。

ところが、横隔膜の動きが悪くなると、呼吸のリズムが乱れ、飲み込むタイミングが合わなくなってしまいます。


その結果、

・唾液をうまく飲み込めない
・口の中に唾液が溜まりやすい
・無意識に唾液を意識してしまう

といった状態が起こるのです。

いちかわ
いちかわ

唾液過多の本質的な改善において、横隔膜の働きはとても重要なポイントになります。

少し専門的なお話になりますが、横隔膜の仕組みを知ることで、唾液過多の改善につながってきますよ。

横隔膜の動きが悪くなる理由

いちかわ
いちかわ

それは、横隔膜が固くなり動きにくくなるからです。

具体的に、ご説明をさせていただきます。

① 呼吸が浅い

横隔膜が上下に動くことで、私たちは自然な深い呼吸を行っています。

しかし、唾液過多でお悩みの方は、肩で息をするような浅い呼吸が定着していることが少なくありません。

ただし、それが長年のクセになっているため、ご本人は「浅い呼吸」をしている自覚がない場合がほとんどです。

横隔膜を含め、体の筋肉は使われない状態が続くと、血流が低下し、次第に固くなってしまいます。



② 胸式呼吸が定着

胸式呼吸は、横隔膜ではなく、肋骨の筋肉を主に使う呼吸法です。

この状態が続くと、横隔膜が硬くなり上下の動きが少なくなり、呼吸がさらに浅くなっていきます。

いちかわ
いちかわ

この状態では、飲み込みのリズムが乱れ、唾液が口に溜まりやすくなります。

唾液過多と深く関係する「脳幹」の働きについて

脳幹

脳幹は、脳の一番下にある部分で、私たちが生きていくために欠かせない働きを、無意識のうちにコントロールしてくれています。

たとえば、

・呼吸
・心拍
・飲み込み
・唾液の分泌
・内臓の動き

こうした動きは、普段私たちが意識しなくても、脳幹が自動で調整してくれています。

唾液は「脳幹の指令」で分泌されている

唾液は、気分や体の状態に関係なく一定に出ているように思われがちですが、実際には脳幹からの指令によって細かく調整されています。

✅ 緊張しているとき
✅ 不安が強いとき
✅ 呼吸が浅くなっている時
✅ 唾液の量(多さ)を気にしている時
✅ 他人に気づかれているんではないと気にしている時

このような状態では、脳幹が「危険に備えるモード」に入りやすくなります。

すると、体は無意識のうちに過剰な反応を起こし↓

・唾液が増える
・飲み込みがうまくいかない
・喉に違和感を感じる

といった状態になります。

これは異常ではなく、体が身を守ろうとした結果です。

脳幹と横隔膜はセットで働いている

脳幹の指令は、神経を通じて体のさまざまな場所に伝えられます。

その中でも、呼吸と深く関わっているのが前述をした横隔膜です。

横隔膜は、呼吸をつかさどる筋肉で、脳幹からの指令を受けながら、私たちが意識しなくても動き続けています。

脳幹

神経

横隔膜

呼吸と飲み込みのリズム

この流れがスムーズであれば、唾液は必要な量が自然に分泌され、無理なく飲み込まれていきます。

ところが、ストレスや緊張が続くと、脳幹は常に「身構えた状態」になり、指令が過敏になります。

その影響で横隔膜がこわばり、動きが小さくなってしまいます。


横隔膜の動きが小さくなると呼吸は浅くなり、呼吸と飲み込みのタイミングが合わなくなります。

その結果、唾液をうまく処理できず、口の中に溜まりやすくなるのです。

唾液過多は「脳が疲れているサイン」

唾液過多は、病気や異常というよりも、

がんばりすぎている
緊張が続いている
休むタイミングを失っている

といった状態が続いたときに現れやすい、体からのサインです。

脳幹が休めず、常に働き続けている状態では、体の調整機能がうまくいかなくなります。

その結果として、唾液の分泌や飲み込みに違和感が出ることがあるのです。

では、この脳幹の指令は、どの神経を通って横隔膜に伝えられるのでしょうか。

横隔膜を動かす「横隔神経」について

横隔膜が動くのは、横隔神経(おうかくしんけい) の働きによるものです。

横隔神経は、首(頸椎の3番~5番あたり)から伸びて、横隔膜に命令を送ります

首を押さえる女性と背骨のイメージ画像

本来であれば、この横隔神経がスムーズに働くことで、横隔膜は自然に上下し、呼吸や飲み込みが安定します。

ところが、不安や緊張を感じると、横隔神経は瞬時に反応し、過緊張状態になります。

誰でも、驚いたときに体がビクッとする感覚がありますよね。

あの反応と同じように、神経が過敏になることで、横隔膜は上に引き上げられ動きが制限されてしまいます。

その結果、唾液を飲み込む動作がぎこちなくなり、唾液過多につながります。

要約すると、横隔神経がうまく働かないと、横隔膜がスムーズに動かなくなり、それが唾液過多の原因の一つになるのです。

横隔神経がうまく働かない3つの要因

① 首こり(主に広頚筋と胸鎖乳突筋のこり)

横隔神経は、首の骨である頸椎3番〜5番あたりから伸びて、横隔膜に指令を送っています。

そのため、首や喉まわりの筋肉がこると、横隔神経が圧迫されやすくなり、横隔膜への指令がスムーズに伝わらなくなります。

その結果として、横隔膜の動きがぎこちなくなり、呼吸や飲み込みのリズムが乱れやすくなります。

② 自律神経の乱れ(精神的ストレスや肉体的な疲労)

横隔神経は、自律神経と深い関係があります。

精神的なストレスや疲労が続くと、交感神経が日常的に優位になり、神経の働きが過敏、あるいは低下しやすくなります。

その結果、横隔神経の指令が安定せず、唾液の分泌や飲み込みの調整もうまくいかなくなります。


③ 胸郭(きょうかく)の動きが悪い(呼吸のクセ)

浅い呼吸が続くと、胸郭が硬くなり、呼吸がさらに浅くなるという悪循環が起こります。

胸郭の動きが悪い状態では、横隔膜も十分に上下できず、唾液を飲み込むリズムが乱れやすくなります。

この胸郭の動きの改善は、ご自身で行うセルフケアでは難しく、整体施術の範囲になります。

いちかわ
いちかわ

当院では、これら3つの要因にアプローチをすることで、横隔神経が働きやすい状態を整え、横隔膜が本来の動きを取り戻せるようサポートしています。

唾液過多でお悩みの方へ

唾液過多 改善
唾液過多でお困りだった10代の大学生

唾液分泌過多症でお悩みの方は、さかい快福整体堂にご相談ください。

なぜなら、唾液過多に専門的に向き合っている整体院は多くなく、当院ではこれまで一人ひとりのお悩みに向き合いながら、改善のサポートを行ってきたからです。


原因や改善策がわからない不調は、それだけで不安になります。

それでも、体にはちゃんと理由があります。


このブログが、唾液の量でお悩みの方にとって、少しでも前向きなきっかけになりましたら幸いです。

さいごまでお読みいただき、ありがとうございました。

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